accusationwrongdoingの日記

見過ごされてしまったある不正についての告発

『琉球新報』の無回答――続々・多田治の不正

琉球新報』には、一橋大学に筆者が送ったのと同じ文書を、同じく匿名で、一昨年11月にレターパックライトで送りました。『沖縄タイムス』と違って、『琉球新報』はメールアドレスを公表しておらず、郵送する以外に手段がなかったからです。自分たちでこの件を清算するか、それとも、もしそれができないなら、筆者が清算できるように、件の論争記事すべてを格安でまるごとブログに転載することを許可してもらえないか、と尋ねました。しかし、そのときに記したフリーメールアドレスにはいまだ何の返事もありません。

 

多田治氏の件に関して『琉球新報』はそれほど悪いことはしていないと私自身は思います。おそらく多田氏に時評を書かせたのは失敗だと思うようになっていたのではないでしょうか。失礼な言いかたをしているかもしれませんが、"文屋"ですから、多田治氏の書く文章が取るに足らない悪文であることは見抜けたでしょう。翌年には松島泰勝氏に時評執筆を任せています。あのぺてんをぺてんのままに出版物として国会図書館に残してくれたことには感謝すらしています。

 

しかし、おそらく、時評、反論を書いたのは多田治氏であっても、それらの著作権は『琉球新報』が保有しているはずです。ですから、『琉球新報』にも責任があります。

 

紙上で読者に謝罪する振りをする。しかし、多田治氏が論争相手の文を改ざんし、論旨を捏造したことを公に認定してしまう。それが筆者が『琉球新報』に望んだことでした。

 

筆者はこの多田治氏の件以外で沖縄の新聞を読んだことはありません。しかし、安田浩一『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞社、2016年)を通じて、『琉球新報』『沖縄タイムス』『八重山日報』などがうごめく沖縄の新聞事情については存じ上げています。『琉球新報』は、『沖縄タイムス』とともに新聞紙上のシェアを二分し、米軍基地反対派の立場で論陣を張っているそうです。『ひずみの構造―基地と沖縄経済』 (琉球新報社、新報新書、2012年) 、沖縄タイムス中部支社編集部『基地で働くーー軍作業員の戦後』(沖縄タイムス社、2013年)も読みました。

 

皮肉なことに、回答文書を送ってきた一橋大学のほうがまだ琉球新報社よりも誠実で公明正大だったと言えます。

 

率直に申し上げて残念です。『琉球新報』の基地反対の立場には共感していました。しかし、植民者意識丸出しでうちなんちゅうの松島泰勝氏を不正を犯してまでいじめる多田治氏に時評を書かせてしまい、多田治氏が沖縄の地元にも認められているかのような印象作りを手伝ってしまう、つまり盗人に追い銭をやってしまう。過去の過ちを清算しようとしない。これでは、基地反対の論陣も、それをやっていれば、インターネット・ニュースの台頭で新聞の発行部数が落ちていくなかでも、新聞が売れるからという理由でのみ『琉球新報』が張り続けているようにしか思えません。自分たちのイメージや利益を守るために不祥事を隠蔽する体質では、現在の政府も『琉球新報』も共通しているようです。

 

さて、少なくとも筆者の印象では、先述の安田浩一氏は、大学教授の多田治氏よりも、知性、人物性ともにしっかりしたフリーランスのジャーナリストです。しかし、このほど琉球新報社安田浩一編著『沖縄の新聞記者』(高文研、2022年)を出版なさったようです。内容紹介を拝見するかぎり、この本は、『琉球新報』の記者は両論併記に陥らない正義の新聞記者であるという方向で編集されているようです。ならば、安田氏も我知らず不祥事の隠蔽に加担していらっしゃるように見えます。

 

安田浩一氏も『沖縄タイムス』の記者も『琉球新報』の偽りの正義に抱き込まれてしまっているのか。しかし、この疑念をはっきりさせるためにも、とりあえず近いうちに『沖縄の新聞記者』を読んでみますね。